Tutorial: Gravity Assist/ja

超単純化した重力スリングショットの模式図：宇宙機の速度(v)に天体の軌道速度(U)の2倍が足される

重力アシスト、別名スイングバイあるいはスリングショットとは天体の公転速度と重力を利用して非常に効率良く機体の速度と方向を変える方法である。Kerbol以外の全ての天体は他の天体の周りを回っているので、 どこかの天体の影響圏にいるとき、機体はその天体自身の軌道速度（公転速度）の影響を受けている。新しく天体の影響圏に入るとき、その天体の軌道速度と重力を利用することで、エンジンを燃焼しなくても機体を加速したり減速したり方向を変えたりできる。

• 期間: 30分
• 難易度: 中級
• バージョン: 0.90.0

やり方

この例では、Kerbinを出発してMunでスイングバイを行ってDunaへ向かう。 通常、Kerbinから脱出するにはApを85,000,000kmに上げなければならないが、この方法を使えばMunの軌道(12,000,000km)に到達するだけでよいので、デルタV数百m/s分の燃料を節約できる。

1. Kerbin低軌道にのる。
2. ズームアウトしてKerbinの公転軌道を確認する。
3. ゲーム内チュートリアル「Going to the Mun」で学んだのと同じやり方でMunをフライバイする軌道を作るが、行きたい方向にちょうどMunが来るときにその軌道をつくる。今回は太陽から離れる方向に行きたいので、MunがKerbinの公転軌道と交差するときに行う。
4. Munの影響圏に入るまで時間をとばす。
5. 軌道修正を行う。より接近する軌道のほうが効果的なので、墜落しないレベルで可能な限りMunのそばを通るするようにする。PeはMunの軌道方向から見てMunの後ろ側を通るようにしなければならない。Munの前側を通ると加速するどころか速度を失ってしまう。傾斜角にも気をつけたほうが良い。傾斜角が大きすぎると厄介になる。
6. Munの影響圏を抜けるまで時間をとばす。
7. マップで見るとMunフライバイ前より周回軌道が大きくなっている（おそらくApがMunmusの軌道より外にある）のが分かるだろう。しかしまだKerbinの脱出軌道になったわけではない。まだMunから得られる速度を全て得たわけではない。
8. そこで軌道修正を行い、もう一度Munフライバイを行い、今回も可能な限り近くを通過する。これを行うベストなタイミングはMunから最も離れている時だ。

おめでとう。これで帰還に十分な燃料を残したままDuna方面の軌道に乗ることができたはずだ。 Dunaから帰るときはIkeで同じことをよればよい。

減速スイングバイ

減速時は天体の前を通過、加速時は天体の後を通過する

Tyloで減速スイングバイしてJool周回軌道に入る。軌道修正に必要な燃料は、エアロブレーキングをするためにJoolへ接近するときよりも少なくて済む。しかもエアロブレーキングよりずっと安全だ。

適切な軌道でDuna-Ike系に入ったら、今度は減速スイングバイをして速度を落とそう。これはIkeフライバイをすることでできる。 加速ではなく減速するには、IkeでのPeをIke進行方向の後ではなく前ですればよい。

パワード・スイングバイ

パワード・スイングバイをすることで、重力アシストをさらに活かすことができる。 分かっているように、Peで加速すれば最大効率でApを上げることができるが、 これはスイングバイでも適用できる。フライバイのときに加速すれば、燃料消費効率を非常に良くApを上げられる。 しかし一方で、これは非常に難しいテクニックでもある。マニューバノードを使ってやっても実行後の軌道を調整することが難しいからだ。

参照

• Using Gravity Assists To Save Fuel by Scott Manley on YouTube
• How to perform a gravity assist (Narrated)
• スイングバイ on Wikipedia